
人材採用
2022.12.23
離職の大きな原因となるミスマッチ
人材確保は中長期的な視点で考えると企業の存続にとって非常に重要です。さらに、コストをかけて採用にこぎつけても早期退職されては企業にとっては損失になります。
独立行政法人の調査によると初職が正社員であった離職者の退職理由の上位にくるのが、「労働時間・休日・休暇の条件がよくなかった」(29.2%)、「人間関係がよくなかった」(22.7%)「仕事が自分に合わない」(21.8%)であることが分かります。
この調査から分かるように、初職退職の大きな要因として、人間関係や仕事内容のミスマッチの割合が大きいことがわかります。
中小企業の採用手段についての調査結果をみると、ハローワークと知人・友人紹介のリファラル採用が多いことが分かります。大企業と比べて中小企業では採用コストが限られていることが、この結果の要因のひとつだと推測できます。
さらに人材確保手段ごとの課題の調査結果をみてみます。
この調査結果によると、一番よく利用されているハローワークに関しては人材の数、人材の質、人材の定着率について課題が多いことが分かります。知人・友人の採用に関しては人材の質や、定着率に課題は少ないものの、数がすくないという結果になっています。さらに人材紹介会社の仲介や、就職ポータルサイトに関してはコストが高いことが大きな課題であることが分かります。
東京都が主催する「雇用創出・安定化支援事業」では、求職者と人材不足企業のマッチングを無料で支援しています。企業担当者による求人内容のヒアリングから始まり、求人内容にあった人材のマッチングを無料で実施し、まずはお試し期間として「トライアル就労」を最大40日間受け入れることができます。
同事業では受入にかかるコストは無料、派遣期間は原則2か月、最長40日間(稼働日数)、派遣期間での見極めが可能(ミスマッチを減らせます)、 採用後の紹介手数料も無料(派遣期間が終了し、採用に至った場合)などのメリットがあり、人材確保した後の問題点を回避できるような仕組みとなっています。
以上のように、「雇用創出・安定化支援事業」は中小企業の採用にとって大きなメリットがあることが分かります。
数ある業界の中でも特に人手不足が続く介護業界では、公益財団法人介護労働安定センターの「介護労働実態調査」 よると90%もの事業者が「採用が困難」と答えているそうです。
老人保健施設のA社では事務職員の募集をしており、後々には介護保険請求事務もできるような人材を求めていました。
ハローワークなどで採用活動を行ってはいるものの、採用がうまくいっていない背景として同業他社との人材獲得競争が厳しいこと、そもそも待遇面の理由から介護業界へ人が流れてこないといったことがあります。さらには同社では職場での人間関係が原因で退職する社員が出ていました。
そんな状況の中、「雇用創出・安定化支援事業」を知った同社は申し込みを行い、担当アドバイザーよりIさんを紹介されました。同社が募集していた事務員は事務作業だけでなく受付や電話対応など多岐にわたるため、コミュニケーション力を重視していたそうです。同社の担当者によると、Iさんはトライアル就労時から毎朝、受付で利用者のお見送りをしたり、挨拶をしたりと積極的にコミュニケーションをとり、利用者とよい関係を築いていたことが好印象だったとのこと。
また、Iさんの前向きな勤務態度は他の社員の間でも評判が高く、社内の人間関係に関しても問題ないことが確認できたことから、同社はトライアル就労を終えたIさんを正社員として採用することを決めました。Iさんは事務業務と並行して介護保険請求事務に関することも勉強したいとのことで、その熱意に担当者は驚いたそうです。
雇用創出・安定化支援事業には様々なメリットがあります。B社の担当者にとって、やはり実習期間を通して業務に対する適正をみることができたことが一番のメリットだったそうです。
多くのメリットがあるこの事業を、新たな採用ルートとして利用してみてはいかがでしょうか?
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