
人材採用
2023.06.16
アフターコロナでは、大企業の多くが新卒採用活動を活発化させています。
内閣府が令和3年度に実施した『企業行動に関するアンケート調査報告書』によりますと、70.1%の大企業が、今後3年間で従業員を増員する予定であると回答しました(前年比10.4%増)。
出典:内閣府『企業行動に関するアンケート調査報告書(令和3年度)』
この動向から、中小企業が抱えている「母集団が集まりにくい」という問題が、深刻さを増すと考えられます。
大企業の新卒採用活動が活発化することによって中小企業が直面する課題といえば、「どのように母集団を集めるべきか」ではないでしょうか。
もともと中小企業は、大企業と比べて知名度が低く「数ある企業の中の1社」とみなされやすいことから、応募が集まりにくい傾向にあります。
ここに加えて大企業が新卒採用に力を入れるとなると、新卒者は大企業に流れ、中小企業はますます人材確保に苦戦すると予想されます。
アフターコロナの新卒採用活動は、普段よりも母集団を集めることに力を入れる必要があるでしょう。
新卒者に自社のことを知ってもらう手段の1つに、SNSの活用が挙げられます。
Z世代(2020年代における10~20代の若者の総称)は、興味のある企業のアカウントを調べて、投稿内容をチェックする傾向にあります。例えば、2023年に卒業予定の学生においては、6割以上が就活の情報収集にSNSを利用しているということです。
SNSは、法人も無料で利用できます。アカウントを開設して、新卒者が興味を持ちそうな情報を意識的に投稿しましょう。
具体的には
・事業内容
・求めている人材
・職場環境
・社員の紹介
・社員のインタビュー
・社会活動
など。
SNSを運営する場合、
・投稿内容を企画する
・情報を収集する
・定期的に投稿する
・投稿に対する反応を分析する
といった作業を繰り返す必要があります。適切に運営するために担当者を決め、作業に専念させることが理想です。
新卒者は、「ゆとり世代」など1つ前の世代よりも"個(自分自身)"に価値を置く傾向にあります。
自分のことを認めてほしいという気持ちが強いため、従来の一方通行的な面接や会社説明会のやり方では響かないでしょう。
それではどのようにアプローチしたらいいのかということですが、情報交換を通じて「お互いの考え方や方向性をすり合わせる」ことがポイントです。
例えば会社説明会では、会社に関する説明で終わりにするのではなく、
・企業の概要を説明する時間
・企業の考え方を伝える時間
・新卒者の経験やバックグラウンドをヒアリングする時間
というふうに割り振り、情報を収集できるよう工夫しましょう。
以上、アフターコロナの新卒採用に関する課題と解決策について説明しました。
母集団を集めるには、新卒者に自社を見つけてもらうところから、採用までの流れを整えておくことです。その手段としてSNSや、”個”にウエイトを置いた対応が有効ですが、もっと重要なのは、会社全体で採用活動に取り組むことでしょう。分業することで1人の負担を減らすこともそうですが、経営者を含む社員全員が一丸となって新卒者を迎えることは、大企業との差別化につながります。会社全体で課題に取り組み、アフターコロナの新卒採用を成功させましょう。
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