人材採用

2022-09-16

アルムナイ採用とは?中小企業の人手不足の解決策となるか

解消されない人材不足の課題

人材不足が恒常的課題となっている企業も多いのではないでしょうか。

中小企業庁が発行している「中小企業白書・小規模企業白書」での従業員過不足DIの推移によると、中小企業の人で不足感は感染症流行の影響により一時的に弱まったものの、依然として中小企業における人手不足感は高い水準で推移しているということがわかります。


出典:中小企業庁「2022年版中小企業白書・小規模企業白書概要」


中小企業において恒常的課題となっている「人材不足」。この課題解決のために注目されているのが「アルムナイ採用」です。


アルムナイ採用とは?

アルムナイ採用とは、離職者など一度会社を離れた人を再び雇うという、人材雇用方法の1つです。もともと外資系企業が導入していた制度でしたが、人材確保の課題を解消しようと導入する日本の大手企業が増え、注目を集めるようになりました。

アルムナイ採用を実施するには、最初にアルムナイネットワークという独自のプラットフォームを構築する必要があります。そして、転職などで会社を離れた人は、その時点で自動的にアルムナイネットワークのメーリングリスト等に登録されます。

会社は、リスト等に登録された元社員に定期的に情報を発信するとともに、講演会などのイベントを開催します。独自のネットワークによって人材を確保しつつ、メンバーが成長できる機会も提供できるという点は、アルムナイ採用の大きな特徴といえるでしょう。


アルムナイ採用の導入はスキルを持った人材確保につながる

人材確保の課題解消は、アルムナイ採用を導入することによって得られるメリットの1つです。

アルムナイネットワークのメンバーは、過去に在籍していた社員。元社員の再雇用は、企業文化を理解している点において、新規に人を雇うよりも雇用のミスマッチが低くなります。また、会社になじんでもらう時間や、新人研修を実施するコストも省けます。

また、元社員は会社に必要なスキルをすでに身につけていることが多く、即戦力としても理想的です。

このように、元社員を囲い込むことは単なる人材確保ではなく、スキルを持った人材確保につながります。


アルムナイ採用と中小企業との親和性は?

アルムナイ採用を成り立たせるには、一定数の登録者が必要です。けれども、大企業ほどの規模でなくてもネットワークの構築は可能です。

北九州市にある大英産業株式会社は、若手社員たちの退職をきっかけに、アルムナイネットワークを構築しました。

・参考:『北九州の不動産企業・大英産業がアルムナイネットワークを開始「理念の実現には退職者とのつながりが必要」』(アルムナビ)

大映産業株式会社は、従業員370人ほどの中堅企業ですが、それよりも規模の小さい中小企業は、運営が難しいと考えるかもしれませんね。

その場合は1社で完結しようとせず、同業者に声をかけてネットワークを立ち上げるという方法があります。周囲の理解を得るために時間はかかるかもしれませんが、同業者どうしが1つの組織を結成し情報を共有することで、中小企業に適したアルムナイ採用のあり方が誕生するかもしれません。


まとめ

アルムナイ採用について説明しました。

実際に制度を取り入れている中小企業は少数ですが、離職者とのつながりを強化する手段として期待が持てます。

離職者の再雇用は、企業と元社員の両方にメリットがあります。アルムナイ採用を将来取り入れるかどうかは別として、この機会にスキルを持った人材確保の一環として、元社員との関係を見直してはいかがでしょうか。


中企ナビでは「人材採用」に関する様々な支援事業をご紹介しています。人材採用にお困りの際は、こちらを是非ご覧ください!!

⇒「人材採用」に関する支援事業の詳細はこちらからご覧ください。

中小企業ソリューションナビ運営事務局

監修者

中小企業ソリューションナビ運営事務局