
人材採用
2023.06.16
中途採用に力を入れているものの、「内定辞退を防ぎきれない」と頭を抱えている中小企業の経営者も多いのではないでしょうか。
株式会社マイナビが独自に調査したデータによると、中途採用における内定辞退率は全体で11%でした。
内定辞退率は年々減少しているようですが、それでも9人に1人は内定を辞退している計算になります。また、業種によって内定辞退率にばらつきがあるようです。
出展:マイナビキャリアリサーチLab『中途採用状況調査2022年版(2021年実績)』
転職する側は、必ずといってよいほど複数の会社に応募しますが、内定辞退率の高い会社は「滑り止め」に位置付けされる傾向にあります。
できるだけ内定辞退を出さないようにするには、中途採用者の自社に対する志望度を上げて、滑り止めという立場から抜け出すことです。
ここでは、志望度を上げて内定辞退を防ぐための施策を3つご紹介します。
「採用ブランディング」とは簡単にいうと、自社が求職者対して行うブランディングのこと。求職者の「この会社で働きたい」という気持ちを高める(志望度を上げる)ことを目的としています。
中小企業が内定を辞退されてしまうのは、会社の活動や社員の待遇、職場環境といった情報を、大企業よりも得にくいためといわれています。
そこで、”面接”を、企業が求職者を選ぶ場ではなく求職者から選んでもらう場と捉え、会社の魅力や取り組み、社風などについて情報を伝えるという採用ブランディングを実施する会社が出てきました。
採用ブランディングには、必ずこのように実施するといったマニュアルはありません。
大切なのは、求職者に「そういう会社なら、働きたい」と思ってもらうことです。
面接では
・会社の事業内容と社員に求められている姿勢
・業務でやりがいを感じられる点
・会社が思い描く10年先のビジョン
など、求人票だけでは伝えきれない、会社の考え方をざっくばらんに話してみましょう。
共感が得られるかどうかは分かりません。しかし、得られた場合は、中途採用者の志望度が上がり内定辞退の可能性は低くなることが期待できます。
新型コロナウイルス感染症の流行以降、就職面接をオンラインで実施する企業も増えてきました。
オンライン面接は、会社にとっても求職者にとってもやりやすい面接方法ですが、対面の面接よりも内定辞退につながる可能性が高い傾向にあります。
対面の面接では、言葉とともに空気感や音、ジェスチャーなど言葉以外の情報(非言語情報)から相手の気持ちや人柄を読み取ることができます。
ところが、オンライン面接ではこうした言葉以外の情報が乏しく、かつカメラ目線が合わないため、お互いの感情が伝わりにくいという状況が生まれます。
そうすると、求職者は面接官に対して悪い印象を抱き、伝えたいことが伝わらないというフラストレーションを覚えやすくなるのです。
オンライン面接には、「気軽に利用できる」「緊張しにくい」など、企業と求職者両方にとってメリットがありますので、完全になくす必要はありません。理想は、オンラインと対面の両方を組み合わせた面接を実施することです。
例えば、1次・2次面接はオンラインにして、最終面接は対面にすることで、会社の雰囲気やそこで働いている人の様子、面接官の熱意などを伝えられます。
対面面接は、求職者にそれまで分からなかった会社の魅力に気付いてもらえる機会と捉えられます。うまくいけば、志望度アップに有効な手段となることを覚えておきましょう。
内定者に対するフォローアップを実施することも、内定辞退率を減らすのに効果的な方法です。
内定をもらってから実際に勤務するまでに期間が空いた場合、
・やっぱり受けたくないと思うようになった
・他社からも内定をもらった
・内定先から何も連絡がないので不安が募る
というふうに、求職者の心変わりが予想されます。
内定者へのフォローアップは、心変わりを防ぐことが目的です。
フォローアップ方法としておすすめは、個別面談の実施。個別面談を実施することで、内定者から直接話を聞き個人に合わせたフォローアップが可能になります。
個別面談では、
・現在抱えている不安
・近況(退職の進捗状況)
・自社に対する質問や要望
といったことを聞き取ったうえで解決につながる提案をし、信頼関係を築くように心がけましょう。
以上、中途採用の内定辞退を防ぐ方法について解説しました。
ポイントは、中途採用者の自社に対する志望度を上げることです。
そのための施策として3つご紹介しましたが、できることから始めて実証・検証を繰り返し、自社にフィットした施策になるよう精度を高めていきましょう。
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