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2023.06.02
全国中小企業団体中央会が主催する2022年度の「中小企業 新ものづくり・新サービス展」に出展する中小企業は、およそ700社。運営側が参加企業を対象にとったアンケートによりますと、SDGsに取り組んでいると回答した企業は、5割以上ということです。
⇒参考:『全国から約700社が集結する日本最大級の中小企業の総合展 「中小企業 新ものづくり・新サービス展」開催 SDGs取組企業5割以上 カーボンニュートラルや脱プラ関連製品も』
昨年度の同イベントへの出展企業数は535社でした。このことからわかるとおり、SDGsに乗り出す中小企業は着実に増えています。その一方で、「SDGsに取り組みたいけれど、進め方がよくわからない」とする中小企業も多いのではないでしょうか。
本記事では、そうした中小企業に向けて、SDGsの進め方のポイントについて紹介します。
SDGsというと、国連が掲げたグローバルな目標というイメージが強いでしょう。
あまりにも目標が壮大すぎて「うちには関係ない」と考えるかもしれませんが、実は中小企業には、SDGsに取り組みやすいという利点があります。
その理由は、特定分野における専門性の高さ。中小企業の多くは、自社が活躍できる場を求めて、特定の分野で知識を深め独自の専門技術を開発する傾向にあります。これが、SDGsに関連した商品やサービスを開発する土壌となります。
紙とプラスチックの代替素材「LIMEX(ライメックス)」の開発元として知られている株式会社TBMは、従業員数約280人(2022年10月時点)規模の中小企業です。
もともと台湾から石灰石を原料としたストーンペーパーを輸入するビジネスを展開していたのですが、よりニーズに応えた商品を提供しようと、自社開発にシフトしました。こうして誕生したのが、石灰石を原料としたLIMEXです。水を使わずに作られることと、紙やプラスチックの代替素材として幅広い製品に対応できることから、LIMEXを採用している会社は、国内外あわせておよそ4,500社にのぼります。
⇒参考:『第8回:新素材「LIMEX」で紙やプラスチックを代替「株式会社TBM」』
このように、中小企業には独自の視点でビジネスチャンスを見つけ、SDGsに適った商品を開発するポテンシャルがあるのです。
国連が提唱しているSDGsは、17のグローバル目標から枝分かれした169の達成基準と、さらに枝分かれした232の指標から成り立っています。
これを聞いただけでも、どこから手を付ければいいのかと、途方に暮れてしまいそうです。
そこで参考にしたいのが、「ビジネスと持続可能な開発委員会」が提唱している、「グローバル目標とビジネスチャンスが連動する60の領域」。よりビジネスを意識した内容になっていますので、目を通すだけでも「持続可能な開発」を思いつくヒントが出てくるかもしれませんよ。
中小企業におけるSDGsの進め方について、具体的事例を交えてご紹介しました。
SDGsへの取り組みは、手間やコストがかかるというデメリットはありますが、うまくいけば社会に貢献する商品やサービスの開発につながります。
それは、利益をもたらすだけでなく、企業評価やブランディングの向上など、企業の将来性を高める可能性も秘めています。まずは自社の強みを見つけ、ビジネスを通じてどのように社会貢献できるかを検討してみてはいかがでしょうか。それが、自社がSDGsに取り組む第1歩です。
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