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2023.06.02
「なぜうちには、女性管理職のなり手がないのだろうか」と、首をかしげる中小企業の人事担当者も多いのではないでしょうか。
日本商工会議所らの調査によりますと、7割もの中小企業が女性の活躍に積極的な姿勢を見せているものの、女性管理職比率は0%と回答した企業は、全体で約4割にのぼりました。
出典:日本・東京商工会議所「女性、外国人材の活躍に関する調査」
中小企業では、理想と現実とのギャップが大きいのはなぜでしょうか。考えられる理由を3つご紹介します。
女性管理職を増やすには、時短勤務など女性のライフスタイルに合わせた制度が必要です。
しかし、これまで男性が昇進して役職につきうまく回っていた会社では、具体的な取り組みがなされていない場合がほとんどです。
経営層が、「男性管理職だけでうまくやってきた。わざわざ女性を管理職にする意味はあるのか」という考えである場合は、女性活躍推進の取り組みも形式上に終わるでしょう。
日本の企業は、まだまだ男社会が色濃く残っている現状です。特に中小企業では、(業種にもよりますが)そうした傾向が強いのではないでしょうか。キャリアパスのない職場では、あえて茨の道を歩むよりも、求められているポジションに甘んじている女性社員も少なくないでしょう。
管理職を目指す女性が少ないのは、女性社員が抱く「管理職」に対するイメージが関係していると考えられます。
「管理職」というと、「きつい」「残業は当たり前」「男性がなるもの」というイメージが強い傾向にあります。
実際に、就業時間の長さで昇進を決めている企業も多く、出産や育児など仕事をセーブせざるをえない女性は不利な立場にあるといえます。また、”管理職”や”就業時間の長さ=昇進”というイメージから、女性自らブレーキをかけてキャリア設計を諦めることも、現場では起きています。
このように、管理職を目指す女性社員がそもそも少ないのは、女性が管理職に抱くイメージも大きく影響しているのです。
理由②と反対に、女性社員に対して抱くイメージも、女性管理職が少ない理由として考えられます。
「管理職を目指すようなキャリアウーマンは、大企業に持っていかれる」「女性社員は寿退社するもの」といった価値観が根強い会社では、女性管理職は育ちにくいでしょう。
女性社員の中には、事務の仕事を好む人もいれば、技術部門でバリバリ働きたいという人もいます。また、「結婚まで働くつもり」と考えている女性ばかりではありません。キャリアを積もうと男性並みに仕事をこなしたいと希望する人もいるのです。
しかし、会社が女性社員を"女性"と一括りにして対応してしまうと、「ここにいてもキャリアを積めない」と考え、大企業など活躍できる会社に行ってしまうでしょう。
中小企業で女性の管理職が少ない理由を3つご紹介しました。
中小企業は女性管理職が少ない傾向にありますが、それは会社の規模ではなくて、女性管理職を育てる土壌があるかどうかが影響しています。
・職場環境
・女性社員の意識
・女性社員に対するイメージ
と3つの視点から女性の働きやすさについて、もう一度見直してみましょう。それが、女性管理職が不足する問題を根本から解消する第一歩です。
監修者