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2022.12.19
SDGsに関心を持っているものの、どんなメリットがあるのかよく分からないという中小企業の経営者も多いのではないでしょうか。
帝国データバンクが公開しているデータによりますと、SDGsに積極的に取り組んでいる大企業はおよそ7割に対して、中小企業は5割弱にとどまりました。
出典:帝国データバンク『SDGsに関する企業の意識調査(2022年)』
この数字から、中小企業の経営者は「うちみたいな小さな会社にとってやる意味はあるのか?」と考える傾向にあると推測されます。
SDGsは世界規模で実施されている大きな取り組みです。しかし、SDGsに取り組むことは大企業だけでなく中小企業にとっても大きなメリットがあることをご存じでしょうか。
今回は、「利益」という視点からSDGsが中小企業にもたらすメリットについてご紹介します。
国連が提唱したSDGsは、世界的なプロジェクトとして各国に浸透しています。日本でも、政府や大企業を中心にSDGsへの取り組みが積極的に行われています。
こうした流れに乗り遅れると、中小企業は取引上不利になる可能性があります。
企業がSDGsを重要視すると、自社のみならず下請け会社や取引先のSDGs事情にも敏感になります。
どういうことかといいますと、SDGs上問題があると判断された場合、サプライチェーンから排除されたり、取引を制限されたりする可能性があるということです。
逆に考えれば、SDGsに積極に取り組んでいる企業という評判が上がれば、今の取引先と良好な関係を保つことができると同時に、新たな取引先を見つけやすいというメリットにもなるでしょう。
SDGsに関心を寄せているのは、企業だけではありません。「エシカル消費」という言葉があるように、SDGsに関心を持つ一般消費者も増えてきました。
エシカル消費とは簡単にいうと、「人や環境などに配慮した消費行動」のことです。
エシカル消費に関心の高い消費者は、商品そのものだけでなく、「原料は何か」「どのような過程で作られたのか」という点も購入時に考慮します。
例えば、生産地や栽培方法が栽培者の写真とともに明記されている野菜と、どこで栽培されたかもわからないような野菜が並んでいた場合、エシカルな消費者に選ばれる可能性が高いのは、間違いなく前者でしょう。
このように、SDGsにかなった商品やサービスを提供することで、エシカル消費者の需要も囲い込める可能性が高まります。
中小企業におけるSDGsのメリットについて「利益」の点からご紹介しました。
SDGsは、企業や消費者の価値観に影響を与えていて、この流れは今後も広がりを見せると考えられます。将来的に見て「わが社は関係ない」といって切り離して考えることは、ますます難しくなるでしょう。
SDGsは多岐にわたるため、どこからはじめていいのか迷うかもしれません。その場合は、所属している業界やライバル会社が、利益をあげるためにどのようにSDGsに取り組んでいるのかを調べて、参考にすると良いでしょう。SDGs対策の一つとして、覚えていただけると幸いです。
監修者