
その他
2023.06.02
中小企業庁では、毎年「中小企業白書・小規模企業白書」を発刊し、全国の中小企業や小規模企業の調査分析をおこなっています。2022年版では、新型コロナウイルス感染症の流行や原油・原材料価格の高騰等の外部環境に直面する中小企業・小規模事業者の動向の分析のほか、中小企業・小規模事業者のそれぞれが自己変革に向けて、新たな挑戦を行うために必要な取り組みが数多く紹介されいます。
ここでは中企ナビ事務局によるわかりやすい解説を交えながら同白書の内容をご紹介していきます。
中小企業の業況判断DI(※1)は、2020年の4~6月期にリーマンショック時を下回る水準まで急激に悪化し、現在では持ち直しの動きもみられるが、依然として厳しい状況が続いています。
出典:中小企業庁「2022年版中小企業白書・小規模企業白書概要」
(※1)業況判断DIとは、日銀短観の調査項目の一つで、企業の景況感を示す指数です。全国の常用雇用者50人以上の民間企業約1万社を対象に調査・集計し、調査対象企業の景況感(「良い」、「さほど良くない」、「悪い」)を集計し、「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた企業の割合を引いて算出されます。また、DIは「Diffusion Index」の略であり、業況判断の他、雇用人員の過不足などの指数にも使われています。
出典:中小企業庁「2022年版中小企業白書・小規模企業白書概要」
また、2022年2月時点の調査結果によると、73.8%もの企業が「影響が継続している」と回答しており、新型コロナウイルス感染症は、引き続き多くの中小企業に影響を与えている状況となっています。
宿泊業、外食業を中心にサービス業全般や運輸業、卸売業、小売業で引き続き多くの中小企業が新型コロナウイルス感染症の影響を引きずっています。
ロシアのウクライナ侵攻に端を発した原油・原材料価格の高騰により、交易条件指数(※2)は悪化の傾向にあります。特に中小企業では影響が多きく、多くの企業で販売価格の是正(原材料費等の価格への転換)が行われていないという状況が伺えます。
(※2)交易条件指数とは、販売価格DIから仕入れ価格DIを差し引いた数値で、仕入れ価格をどれだけ製品価格に転換できたかを示す指数となります。
出典:中小企業庁「2022年版中小企業白書・小規模企業白書概要」
「事業方針におけるデジタル化の優先順位」は新型コロナウイルス感染症の流行前に比べ20%以上増加しています。オンラインによるリモートワークの普及やコロナ渦を契機に業務改善を検討する企業が増えてきたものと思われます。
出典:中小企業庁「2022年版中小企業白書・小規模企業白書概要」
今後も、中企ナビ事務局では「中小企業白書・小規模企業白書」の内容をご紹介していきます。
監修者