DX

2023-03-31

ITの知見がなかった製造業が精密機械の生産工程を見える化!無駄の削減を実現

コロナ禍により加速したDX化

新型コロナウイルスの影響で、企業を取り巻く環境が劇的に変化しました。DXという考え方は以前からありましたが、コロナ禍により認知が一気に拡大したといえます。DX(デジタルトランスフォーメーション)とは簡単にいうとデジタル技術の活用によってビジネスモデルを変革し、競争力を高めていくことと言われています。

中小企業基盤整備機構が行った中小企業に対するDXへの取り組みに関するアンケート結果によると、従業員規模が大きくなるほどDXへの取り組みを行っている、もしくはその必要性を認識していることが分かります。 出典:独立行政法人 中小企業基盤整備機構 中小企業の DX 推進に関する調査

次に、DXを通して企業はどのような成果や効果を期待しているのかを見てみます。こちらのアンケート結果によると「業務の効率化」と「コストの削減」が期待される効果として大きいことが分かります。これらの効果は今後、労働人口が減少する日本の企業にとって省人化にもつながるため、重要であると考えられます。

出典:独立行政法人 中小企業基盤整備機構 中小企業の DX 推進に関する調査

その中でも実際にDXに取り組んでいる企業に対して行われた従業員規模別のDX成果状況ついてのアンケート結果を確認すると、従業員規模に関わらず、ある程度の成果がでていることが分かります。

出典:独立行政法人 中小企業基盤整備機構 中小企業の DX 推進に関する調査

このように高い確率で期待した成果を見込むことができるDX推進ですが、取り組むにあたって「DX・ITに関わる人材がたりない」、「具体的な効果や成果が見えない」、「予算の確保が難しい」といった課題が挙げられています。


埼玉県DX推進支援ネットワークとは

埼玉県内のデジタル活用を進めたい企業を対象に国、県、市町村、経済団体、金融機関が連携し、ニーズにあった支援を行うサービスです。具体的には様々なソリューションや導入支援できる事業者の紹介や人材育成研修、セミナー、専門家の派遣、補助金など、企業の要望に合わせた支援があります。


生産工程を見える化によりトレーサビリティを強化する

冷間鍛造による素材加工から精密機械加工まで一貫して行う従業員70名ほどのS社は、自動車・トラックの部品メーカーとして冷間鍛造、精密機械加工において高い技術力を誇り、数々の特許を取得しています。

そんなS社には社内の各生産工程での生産実績を高い制度で把握するためにトレーサビリティの強化が課題となっていました。現行の生産管理システムでは大幅な工数増大とタイムラグが生じているためです。また、リアルタイムで工程別の生産状況の把握ができないため、事務処理残業時間とリスクヘッジのための在庫が増加傾向となっていました。

上述した課題を抱えていたS社は埼玉県DX推進より生産実績の見える化に関する支援を受け、課題の解決を目指しました。具体的には製品のトレーサビリティに必要な情報を、常に製造現場で即時入力と見える化を行ってトレーサビリティ管理を強化しました。

さらに各生産工程の生産実績と生産数の管理をリアルタイムに行い、生産管理の後処理を大幅に削減しました。同時に、生産数の見える化により中間在庫・完成在庫を大幅に削減しました。具体的には電波を用いてICタグの情報を非接触で読み書きする自動認識技術であるRFIDを利用することによって製品情報を確認し、情報を蓄積。そのデータサーバと既存のシステムとの連携により生産進捗の見える化を実現しました。

その結果、生産管理のための後処理事務作業が大幅に削減、自動カウント機能による員数確認作業の省略、FRIDによる現場での入力作業の簡易化、そして中間在庫・完成在庫の適正化を実現しました。


DX化に関するご相談はここから

埼玉県DX推進支援ネットワークでは、企業のDXに関する要望に合わせて幅広い支援を提供しています。「どこに相談すればよいかわからない」 「どの支援策を利用したらいいかわからない」「具体的な相談に乗って欲しい」といった場合も、埼玉県DX推進支援ネットワークの事務局である埼玉県産業振興公社が窓口となって、無料で相談サポートをしています。

埼玉県の企業の担当者様、ぜひこの機会にDX化への一歩を踏み出してみてはいかがでしょうか?

⇒「埼玉県DX推進支援ネットワーク」の詳細はこちらからご覧ください。


中小企業ソリューションナビ運営事務局

監修者

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