
DX
2023.04.26
新型コロナウイルス感染症拡大により、日本の中小企業を取り巻く事業環境も大きく変化しました。
特に、企業のこれまでの対面営業や販路開拓のツールである商談会、見本市等が実施できなくなるなど従来の取引業態に大きな支障が生じました。このビジネス環境の急変により企業も変化をすることが求められ、さまざまな業界でDXの推進が叫ばれています。
全国中小企業振興機関協会が行った調査によると、コロナ禍の影響は企業活動の中でも営業活動への影響が大きいことが分かります。
出典:東京商工会議所 中小企業委員会(2020)「中小企業の経営課題に関するアンケート」 調査結果」
そんなコロナ禍を経て、新規で販売先を開拓するための営業活動の方法も変化していることが分かります。対面での活動が減り、オンラインを利用した営業方法に重点をおく企業が増えました。 出典:公益財団法人 全国中小企業振興機関協会 デジタルトランスフォーメーションを活かした中小企業の販路開拓に関する調査研究報告書
そのような取り組みに対して、どの施策も4割以上において効果が得られています。特にホームページ作成やSNS等の活用は中小企業の経営課題のひとつである新規顧客開拓に貢献していると考えられます。
今後の企業の活動に大きな期待がかかるIT利活用ですが、いざはじめようという段階で直面する課題について調査結果を見てみます。特に課題として挙げられているのが「導入効果がわからない、評価できない」という課題であり、おそらくIT利活用の効果を判断するできる知見や人材が足りないことが理由の一つとして考えられます。
福岡市では市内に事業所を置く中小企業・小規模事業者などの販路拡大・生産性向上の支援を目的として「オンライン活用型事業再構築サポート事業」を行っています。
中小企業のオンライン化支援に豊富な実務経験のある専門家が、オンラインを活用した営業活動のノウハウを共有し、営業活動・販路拡大の計画の実行・検証までをしっかりサポートします。デジタルの知識やノウハウが足りない企業様が安心して参加いただける事業となっています。
電気工事業を営む従業員が60名程のA社は街の電気屋からスタートした会社で、日々多様化する電気工事へのニーズやインフラに対応して成長しました。
同社の顧客は既存顧客のリピートが多く、新規の顧客開拓ができていないことが課題として挙がっていたそうです。そこでマーケティング活動を可視化・自動化することで営業活動の効率化を図り、効果的に新たな顧客獲得を目指していました。
そんな状況の中で、同社は福岡市が主催する「オンライン活用型事業再構築サポート事業」に参加することにしました。
この事業より派遣された担当者とともに課題解決のための現状の状況整理から行いました。そこではBtoC及びBtoBの新規顧客開拓⼿法をまだ知らないこと、オンライン活⽤⼿法のノウハウがないこと、そしてデジタルマーケティングツールの商品のなかでも、どれがA社に合っているのかわからないといったことが課題として挙がりました。
そんな課題を解消するために、⾃社の商材・商流・強みの整理、ターゲット選定とターゲットごとの戦略⽴案、反響を得るために「あなただけ、わたしだけ、今だけ」も設計。そしてMAツールを活⽤しメール配信を実施、その効果を測定などの取り組みを行ったそうです。
ターゲットごとに3C(⾃社・市場・競合)分析を実施し、顧客のニーズや課題を理解することでターゲットに対する⾃社の強みの効果的な伝え⽅を習得することができました。そして実際にメール配信385件から2件の問い合わせを獲得、2件とも商談につながったとのことでした。MAツールも導入し、今後の営業活用に使用していきたいとの事です。
多様化するニーズに応えるためにも積極的に社内のデジタル化を促進し新たな販売ルートを開拓してみてはいかがでしょうか。福岡市の事業であるため、対象の企業は専門家の派遣を5回まで無料で受けることができます。デジタル化が進めば人手不足の解消にもつながるかもしれません。ぜひこの機会に参加してみてはいかがでしょうか?
監修者
関連記事